ベンケイソウ科

学名： Crassulaceae

分類：被子植物−双子葉植物

３３属１４００種あり、オセアニアを除く全世界に分布するが、特にアフリカからユーラシア、北アメリカに属、種ともに多い。気候的に湿潤な日本には５属３７種１２変種が分布し、日本の固有植物として１１種９変種が知られているが、その多くは岩上、樹上や水涸れの長い沼沢地や沢など、局所的に乾燥が強いちっちに生育する。
多肉性の草本または低木。葉は単葉、つき方はさまざま。花は放射相称。萼片、花弁、雌しべは同数で３〜６個ずつ。雌しべの背軸側基部に腺体がある。

Crassusはラテン語で「厚ぼったい」の意味。

（印象）我が家にもキリンソウがあるのだが、写真がない。葉の緑と花の黄色の区別が付きにくく、被写体になったことがないのが真相。毎年、花を咲かせるし、丈夫な系統だと思う。

ベンケイソウ科の屬と花の紹介（四季の山野草編）

---

• イワレンゲ属（Orostachys）・・・コモチレンゲは北海道に分布し、多数のストロンを出し新個体を形成する。イワレンゲは本州（関東以西）、九州に分布し、葉は全体に帯粉し、緑白色となり、葯は濃黄色、日本では北海道・東北に分布する別変種アオノイワレンゲは、葉は粉白せず鮮緑色で、葯は濃紅紫色となる点でイワレンゲと区別できる。
• カランコエ属（Kalanchoe）・・・この属にはカランコエがある。
• キリンソウ属（Phedimus）・・・ヒメキリンソウは四国に分布し、キリンソウに似るが、葉は常に対生する。対生葉をもつのは本属中この種のみである。また、本属中唯一の２倍体種で、２ｎ＝１６の染色体をもつ。
• ベンケイソウ属（Rhodiola）・・・北半球の温帯から寒帯にかけて３０数種、日本に２種がある。雌雄異株。根茎は宿存する鱗片葉におおわれる。花は４〜５数性、日本産は４数性。
  チチッパベンケイは本州（北部、中部）に分布し、オオチチッパベンケイは本州（福島、茨城）に分布する。アオベンケイは本州（中部以西）、四国、九州に分布し、葉は対生し、明らかな柄がある。ツガルミセバヤは本州（青森）に分布する。ミセバヤは小豆島に分布し、エッチュウミセバヤは本州（北陸）に分布する。ヒダカミセバヤは北海道に分布する。ショウドシマベンケイソウは香川県（小豆島）や岡山県などの石灰岩地に産する。
• マンネングサ属（Sedum）・・・世界に約６００種、日本に３０種が自生する。キリンソウ属を区別する考え方もある。花は両性。根や根茎は肥大せず、肥大しても根茎に鱗片葉がない。花はふつう黄色。

参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)　　 高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)