分子系統解析から被子植物の中でアンボレラ科の次に分岐したとされる。APGV分類体系ではスイレン目に入り、ハルクラヤ属、オニバス属、コウホネ属、スイレン属、オンディネア属、オオオニバス属を含む。ハゴロモモ科が姉妹群となる。
世界の温帯〜熱帯にに6属70種、日本に4属8種、日本の固有植物は3種2変種が分布する水生草本で、地下茎または塊根をもつ。葉は地下茎に螺旋状に配列され、心臓形、楯形、水面に浮くか直立する。花は大きい種類が多く、単生する。両性で、萼3〜5は花弁化する。雄しべは螺旋状につく。果実は液果。
(印象)水生植物の花は強い日差しにも負けない輝きを持っているものが多く、写真を撮るときに露出がとても難しい花。そして、水の中で岸から遠いことが多く、花が大きい割にアップで撮れないことが多いという感じだ。
オグラコウホネは東海〜九州に分布し、葉柄が細く中心に間隙があることなど区別される。この種の柱頭盤が赤いものがベニオグラコウホネで、広島県西条盆地とその周辺に分布する。普通種のコウホネよりも小型で葉が丸いヒメコウホネは西日本に広く分布すると考えられてきたが、その多くが交雑由来の個体であり、真のヒメコウホネは東海地方に限られて分布することがわかってきた。柱頭盤が赤いオゼコウホネは北海道、本州北部、尾瀬ヶ原に分布する。シモツケコウホネは葉が沈水葉のみで、栃木県にのみ分布する。
スイレン属(Nymphaea)・・・世界各地の熱帯、亜熱帯、温帯に約40種、日本に1種がある水生植物。葉は単純、卵円形で水面に浮く。花は水面に浮かぶか水上にぬきでる。萼片は4個で緑色。子房は中位で偽柱頭がある。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2018/02/26