北極圏を除く世界に分布し、313種8100種を含む大属で草本、木本、蔓性植物、多肉植物など形態の変化が大きい。葉は互生し、托葉がある。花は小さく、単性。花弁はない。花序は杯状花序の種類もある。茎葉の切口から白い乳液が出て有毒なものが多い。
以下の属のほかに、ブライニア(オオシマコバンノキ)、ジャトロファ(タイワンアブラギリ)属などがある。
日本に24属60種、日本の固有植物は13種2亜種2変種、APGV分類体系では4つの科に分けられ、そのうち日本には狭義トウダイグサ科(セイシボク属、セキモンノキ属、ニシキソウ属、トウダイグサ属など)、コミカンソウ科(カンコノキ属、コミカンソウ属など)、ツゲモドキ科(ツゲモドキ属、ハツバキ属)の3科が分布する。
ポインセチアをはじめ、日本にもなじみの種が多い。
科名はモーリタニアの外科医だったユーフォルブスの名にちなむ。
(印象)トウダイグサ科の花に身近で出会うことは少なかったので、八方尾根で出会ってから気になる存在になった。色が地味な割りに、花がきれい。
トウダイグサ属(Euphorbia)・・・世界に広く約2000種が分布し、落葉、常緑性一年草、宿根草、低木、高木があり、多くの多肉植物を含め、形態の変化が非常に大きい属である。熱帯、亜熱帯に多く分布するが日本にも自生がある。耐寒性のない種類が多いため日本では草本種を花壇に植え、常緑低木のポインセチアは温室で鉢植えにされる。茎や葉をちぎると白い乳液が出る。5個の総苞片がカップ状に融合して杯状花序をつくる。花は単性、雄花は雄しべ1個だけ、雌花は雌しべ1個だけからなる。
アソタイゲキは阿蘇山周辺に分布し、草原に生育するトウタカトウダイの亜種で、著しい分枝がみられない点を特徴とする。タカトウダイやシナノタイゲキに似るが、果実の突起が円錐形である。タカトウダイの小型の変種イブキタイゲキは伊吹山およびその周辺の石灰岩地域に分布する。シナノタイゲキは東北、関東、中部地方に分布する。タカトウダイに似るが、春咲きで種子が茶色い点が異なる。センダイタイゲキは東北および関東に分布する。ナツトウダイは北海道から琉球まで分布する。大陸産のものや、北海道から千島、サハリンに分布するヒメナツトウダイも同種とされてきたが、ナツトウダイとは総萼片は縁毛がない点などで異なる。ナツトウダイ自体も根茎、苞葉、小胞などの形態や生育地の異なる3つ以上の型が認められる。ノウルシは北海道、本州、四国、九州に分布する。河川敷など低地の湿った場所に生育する。ハクサンタイゲキは東北から中部地方の日本海側に分布する。山地や丘陵地の湿地に生育する。フジタイゲキは静岡県に分布し、山地の数カ所のみに生育する。イワタイゲキやタカトウダイと混同されてきたが、前者とは丈が70〜150cmと高く、果実の突起が低く、夏咲きである点が異なる。ヒュウガタイゲキは宮崎県に分布するフジタイゲキの亜種で、種子表面にしわ状紋がある。丘陵地の数か所のみに生育する。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2018/02/26