コウメバチソウ

最終更新日
2018/06/05
●学名
Parnassia palustris var. tenuis
●科名
ニシキギ科ウメバチソウ属
●花期
8〜9月
●生育地

北海道、本州の中部地方以北に分布し、高山帯の草地や湿地、岩隙などに生える多年草。

●特徴

混生葉は長い柄があり、長さ1〜2.5cmの卵形〜広卵形で基部は心形。花茎は高さ3〜15cm。花は白色で直径約1cm。仮雄しべは7〜11裂し、先端に黄色の腺体がある。全体に大きく、仮雄しべが12〜22裂するものをウメバチソウという。

●写真集

コウメバチソウコウメバチソウ 乗鞍岳

●育て方

3〜4号の小鉢植えにするか、寄せ植えの材料とする。用土は硬質鹿沼土7、軽石砂3を水はけよく配合し、乾燥防止のために表土にミズゴケを張るとよい。
植え替えは2年に1度、適期は3〜4月中旬
春の芽出し頃は日がよく当たる場所で、その後は直射光が当たらない半日陰で管理する。
水やりは水を好むので水を切らさぬようにする。梅雨後は用水にするよい。
施肥は植え付け後、有機性固形肥料の周囲に少量置肥し、花後と春に同じ肥料を追肥する。肥培すると花つきが良くなる。

殖やし方は株分けと実生で行う。タネを採取して暗所で保管。早春にまいて成長させ、翌年の春に定植すれば秋に開花する。

●近縁種

コウメバチソウとウメバチソウの違い

コウメバチソウの花

コウメバチソウ
仮雄しべが7〜11裂する。写真正面は8裂。

ウメバチソウの花

ウメバチソウ
仮雄しべが12〜22裂する。写真は15裂。


イズノシマウメバチソウ (葉が厚く、濃緑な伊豆諸島タイプ。神津(コウズ)ウメバチソウとして流通していることが多いと思われる。)

ウメバチソウ (山地や山麓の湿り気のある日当たりのよい所に生える多年草。)

シラヒゲウメバチソウ (中国原産種)

シラヒゲソウ (本州、四国、九州に分布し、花弁が糸のように細く裂ける。)

ヒメウメバチソウ (本州・中部地方以北の高山帯の湿原に自生する。)

ヤクシマウメバチソウ (屋久島の高地の湿地に自生する矮小種。) 

●和名
小梅鉢草。白い5弁の花の形が梅鉢紋に似ていることからこの名がついた。
別名エゾウメバチソウ。
●参考図書
日本の高山植物 増補改訂新版(山と渓谷社)、山草図鑑(栃の葉書房)