クリスマスローズ

最終更新日
2016/06/15
●学名
Helleborus
●科名
キンポウゲ科クリスマスローズ(ヘラボルス)属
●花期
1月〜4月
●生育地
ヘレボルス・オリエンタリスは中央アジアからロシアに分布する種で、山地の林縁や林床に自生している。
●特徴

有茎種と無茎種に大別されるが、改良が進み広く普及する種は無茎種が主流。その中でも一般的なものは春咲きのオリエンタリスやや、花期が早くて元来のクリスマスローズの名前を持つニゲルなど。これらの種にさらにほかの種が入った人工交配による育種が活発で、これらの交雑種を総称してガーデン・ハイブリッド(ヘレボラス・ヒブリダス)と呼んでいる。有茎種についても山野草風の野性味や風情が好まれ、多くの種が栽培されている。

花に見える部分は萼片で5枚あり、花びらは退化して小さな蜜腺となって、おしべの付け根を囲んでいる。

●写真集

クリスマスローズクリスマスローズ 庭の早春

●育て方

根の生長が特に活発で株も大きくなりやすい。そこで、中深の6〜8号程度の大きめの鉢を使用し、赤玉土4に軽石砂4、腐葉土2の混合土など肥沃な用土で植え付ける。

植え替えは1〜2年に1度、花後もしくは9月中旬〜10月中旬に行う。

年間を通して日なたでの栽培が適しているが、多少の明るい日陰でも育てられ、置き場を選ばない利便性がある。常緑の種が多いが、原種の中には冬季に葉を落として休眠する種もあり、休眠したら棚下などの日陰に置く。

水やりは新芽やつぼみが展開する時期から開花中は多めに与え、休眠する種も年間を通して水を切らさない。

施肥は植え付ける際に、元肥として緩効性の化成肥料を株の根の下に施す。秋にも追肥として有機性の固形肥料を鉢の周囲に置き肥する。

葉が厚く病虫害には強い。一般的な予防は他種に合わせて行う。

殖やし方は植え替え時の株分けが簡便。タネを採種あるいは入手しての実生栽培も比較的容易である。多弁咲きや美しい花色を選んで人工的に交配すれば、オリジナルな葉の育種も楽しめる。

●近縁種

ガーデン・ハイブリッド (最も広く普及。オリエンタリスを中心に無茎種の多くの原種を交配して育種された改良種。花弁ただしくは萼片が緑色、黄色、白色、桃色、赤色、紫色、赤紫色、灰紫色、それにスポットやブロッチ、八重咲きなども加わり、年ごとに変異が増えている。)

チベタヌス (中国の原産種で花色が淡い桃色。クリスマスローズとは少し異なる清楚な花である。)

フェチダス (ヨーロッパの南西部から英国にかけての原産種で、切れ込みの大きい葉に緑色の多数の花を咲かせる特異な姿となる。)

リビデュス (スペインのマジョルカ島の原産種で、やや茶色を帯びる可憐な花。)

●和名
別名ヘレボラス。
●花言葉
私の不安をやわらげて、慰め
花には香りがあり、ヨーロッパでは古くから病人の悪霊を取り除き、うつ病にも効くと信じられてきました。花言葉もこれにちなんでいます。また、イエス・キリストが誕生したときに、マデロンという羊飼いの貧しい少女が「自分は何も捧げるものがない」と泣いていたところ、地面からこの花が咲き、キリストに捧げたという言い伝えもあります。
●参考図書
園芸植物(山と渓谷社)、日本の山野草(NHK出版)、山野草大百科(講談社) 、美しい花言葉・花図鑑(ナツメ社)