バイカオウレン

最終更新日
2021/01/17
●学名
quinquetolia
●科名
キンポウゲ科オウレン属
●花期
3月〜4月
●生育地

本州(福島県以南)にかけて分布する艶のある葉の常緑の多年草で花のない季節も葉が楽しめる。低山の亜高山の針葉樹林内や林縁に生える多年草。
オウレンの仲間は北半球に約15種、日本には変種を含めて約8種が自生する。

●特徴

混生葉は長柄のある掌状複葉。小葉は5個、長さ1〜2.5pの倒卵形で鋭鋸歯があり、やや厚く、光沢がある。高さ4〜15pの花茎の先に、直径1.2〜1.8pの白色花を1個開く。萼片は花弁状、花弁は黄色で舷部は浅い杯状。袋果にすじが1個入る。
根が黄色で根茎にアルカロイドを含み、オウレンは胃腸薬の黄蓮で薬用に使われる。

●写真集

バイカオウレンの花バイカオウレン 花之江の郷

バイカオウレンの花バイカオウレン 星野自然村

●育て方

春・秋は日によく当て、夏は半日陰で管理する。常緑のため冬も暖かく日の当たる場所を好む。

植え替えは2〜3年に1回、花後の5月頃に行い、硬質赤玉土・硬質鹿沼土・軽石の混合土などで水はけ良く植える。

増殖は株分け・実生により、実生は採り播きし、発芽から2年で開花する。

適湿な明るい日陰の場所でよく育つ。 渓谷沿いや林の下など、湿潤でしっとりした土壌に自生する植物なので極端な乾燥には気をつける。
タネまき、株分けでふやすことができる。

●近縁種

ウスギオウレン (オウレンに似るが、萼は狭く淡黄色で、花弁は紫色を帯びる。)

オウレン (山地の林内に生える常緑の多年草で、発達した黄色の根茎がある。)

オオゴカヨウオウレン (屋久島特産。バイカオウレンに似るが葡枝を出さず全体に大型。)

コセリバオウレン (葉形が3回3出複葉で特に細かい葉である。)

セリバオウレン (茎頂は分岐し3つの花をつける。葉形が2回3出複葉でセリの葉に似る。)

ミツバオウレン (根生葉は3出複葉、茎頂に1つの花を付ける。高山のやや湿った所に自生。高山性のため栽培が多少難しい。)

ミツバノバイカオウレン (ミツバオウレンに似るが、花茎は緑色でなく褐色。)

中国原産で葉の形が水鳥の脚に似るカモアシオウレンが普及するが、日本のオウレンとは別属のアステロビラム属である。

●和名

梅花黄蓮。発達した黄色の根茎があることからこの名がある。
別名、ゴカヨウオウレン。

●参考図書

山野草大百科(講談社)、山草図鑑(栃の葉書房)