北アメリカやユーラシア大陸に20属約400種が原産する宿根草または低木。日本にはハナシノブ属1属にみが知られており、1種3亜属1変種が認められ、そのうち1亜種1変種が固有。APGV分類体系でも科の扱いに変更はないが、従来のハナシノブ目からツツジ目に移され、北アメリカ南西部に分布するフウキエリア(フォウキエリア)科に類縁があるとされる。
巻きひげのある種類もある。葉は複葉または単葉、輪生または互生、鋸歯はない。花は集散花序、両性、漏斗状または平開、蕾のときはよじれる。花冠は5裂し、萼は5、互生する。子房上位。果実は3辺に割れる。
(印象)可愛くてピンク系の花が印象的。
クサキョウチクトウ(フロックス)属 (Phlax)・・・アラスカら北アメリカに広く67種の宿根草が分布する。
エゾハナシノブの葉は奇数羽状複葉で、小葉は6〜10対、花は散房状円錐花序につき、花冠裂片の先はへこみ、花序の柄や花梗、萼には白色の長軟毛と短腺毛があり、刮ハは球形で、北海道、本州(白神山地)に分布し、山地草原に生える。ミヤマハナシノブは花序の柄と花梗に短腺毛が密生して多少とも長軟毛が混じり、花冠裂片の先端が鋭く尖る傾向があり、本州(白馬山系、北岳)に分布し、亜高山帯の草原に生える。北アルプスの個体は萼がより深く裂け、無毛になる傾向がある。
参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2018/02/26