ナス科

学名： Solanaceae

分類：双子葉植物

世界の熱帯から温帯に90属2500種。日本に７属２３種、日本の固有種は６種。
多くは一年草で、一部に低木または高木、まれに蔓性になるものがある。花は両性、放射総称し集散花序または単一花を頂生や腋生する。花冠は筒状の基部をもち、漏斗状、釣鐘状、杯状で先端は５裂する。雄しべは５、雌しべは１で子房上位となる。ジャガイモ、ナス、トマト、タバコ、トウガラシなどの有用植物の多くを含むが、一般的にアルカロイドを含み、有毒植物が多い。

科名は一説によれば、チョウセンアサガオ類が持つ鎮静・鎮痛作用に基づくsollamen（安静）に由来するという。

（印象）園芸植物、これがナス科への偽らざる印象。山野草としてはちょっと不向きな花だろう。そして、どちらかというと、ナス、じゃがいも、トマトやピーマンなど食物になることが多いのもナス科の特徴だ。

 

ナス科の屬と花の紹介（四季の山野草編）

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• チョウセンアサガオ属（Datura）・・・南北アメリカの熱帯、亜熱帯に約８種が分布する多年草または一年草。まれに亜低木または小高木になることがある。チョウセンアサガオなどがある。
• トウガラシ属（Capsicum）・・・熱帯アメリアに分布する多年草で、葯２０種が知られている。葉は単葉、披針形で互生し、全縁である。茎はよく分枝し、直立または斜上する。花は腋生し、単一または数花つける。トウガラシ、ピーマンなどがある。
• ナス属（Solanum）・・・熱帯から温帯にかけて広く分布し、約１４００種が知られる。草本または低木、ときに小高木になる。茎はふつう直立、葉は単葉で互生し、全縁または鋸歯縁となる。まれに羽状深裂し、複葉となる。花は単生、束性、または集散花序、散房花序をなす。萼は広釣鐘状で５裂、花冠は単形または釣鐘形で、筒部は短く先は５裂する。雄しべは５、花柱は糸状となる。
  日本産は１２種あり、２種が固有。マルバノホロシは草本性で無毛のつる植物で、葉は長楕円形〜狭卵形で全縁、花はまばらな集散花序につき淡紫色、萼裂片５個、液果赤く熟し、本州、四国、九州、沖縄に分布する。ムニンホオズキは直立する多年草で、葉は二又分枝し、葉は卵形で短い葉柄があり、花は茎頂あるいは葉腋に１〜３個束生し白色、萼裂片は線形で１０個あり、液果は赤く熟し、小笠原（母島、南硫黄島）に分布する。
  その他の種として、イヌホオズキ、ジャガイモ、トマト、ナスなどがある。
• ホオズキ属（Physalis） ・・・アメリカ大陸を中心に世界各地に分布する一年草または多年草で、約８０種が知られる。熱帯から温帯の各地に野生化し、果実が食用または観賞用に利用される。
  日本産４種のうち１種が固有。ヤマホオズキは多年草で、葉は卵形で粗い鋸歯があり、ほとんど無毛で、花冠は杯形で白色、先端が浅く５裂し、液果は黄熟し萼がゆるく包み、本州（関東以西）、四国、九州に分布する。
• ブロワリア属（Browallia） ・・・熱帯アメリカに分布する一年草または多年草で、３種知られる。葉は互生または対生し、卵形で先鋭し、全縁。花は総状花序で頂生するか単花を腋生する。花冠は高盆形で先が５浅裂する。花色は青、白などがある。夏の鉢物、花壇用としてアメリカーナとブロワリアが栽培される。
• ペチュニア属　（Petunia）・・・南アメリカに約３３種、メキシコに２種分布する一年草または多年草。全株に粘毛があり、茎は直立または匍匐する。葉は全縁ときに小型。花は上部の葉腋から花柄を伸ばし、１花をつける。花は漏斗状または高盆形で紫紅色または白色、ときに紫桃色となり、萼は５深裂。サフィニア、ペチュニア などがある。

参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)　　 園芸植物 (山渓カラー名鑑)