コマクサ

最終更新日
2016/12/10
●学名
Dicentra peregrina
●科名
ケシ科コマクサ属
●花期
5月〜8月
●生育地

高山の岩場や砂礫地に群落を作って生え、中部地方以北の本州から北海道、サハリンなど北方に分布する多年草。
自生地として有名なのは、群馬県草津白根山、宮城県と山形県にまたがる蔵王山、 北海道大雪山、岩手県岩手山、秋田駒ヶ岳、長野県の北アルプス燕岳、乗鞍岳、山梨県との境にある八ヶ岳 など各地にある。
東アジア、ヒマラヤ、北アメリカに約20種の属。日本ではコマクサ1種が分布する。海外種は育てやすく増殖も活発。

●特徴

葉は根生し長さ・幅とも3〜5cm。多数に裂け、白っぽい緑色。夏に高さ5〜10cmの根茎を伸ばし桃紅色の花を数個付ける。

北海道大雪山にのみ生育する天然記念物のウスバキチョウの幼虫は、コマクサを食草としていて、葉の他に茎や花も食べる。他地域では他の同科キケマン属の植物を食草としている。花の蜜を吸いにきたマルハナバチなどが受粉を行う

●写真集

コマクサコマクサ 乗鞍岳

コマクサコマクサ 日光・白根

コマクサコマクサ 白馬五竜

●育て方

よく日に当たる風通しの良い場所で管理し、灌水は軽石の表面が白く乾いたら行う。

肥料を好むので、真夏を除き置き肥を与える。

植え替えは2年に1回を目安に3月下旬、軽石単用か硬質鹿沼土・日向砂との混合土で植えつける。コマクサの根はひげ状で下方向に長く伸びるため、深い鉢か口径の大きめな中深鉢を用い、長く伸びた根を切り詰めて株の老化を防ぐ。

切った根は根伏せができる。
実生は採り播きで翌年6月には発芽する。

●近縁種

ケマンソウ (中国原産の大型種で露地植えでも育てられ、白花も普及)

ディセントラ・カナデンシス (北アメリカ北東部原産で、白花の小型種。葉がコマクサに似て、粉白色を帯びる。)

ディセントラ・ククラリア (北アメリカ東部の原産で、白い花に黄色を帯びる小型種。根が球根状になる。)

ディセントラ・スカンデンス (ネパールや中国西部の原産。つる性で濃い黄色の花が咲く。近似種にディセントラ・トルローサがある。)

ディセントラ・マクランサ (中国の原産種で薄黄色の少し大きめの花を咲かせる。日本での普及は少ない。)

ハナケマンソウ (北アメリカの原産種で小型の強健種、白花や濃色花なども流通。)

ヒメケマンソウ (北アメリカ東部のアレゲニィ山地などの原産種。ハナケマンソウに比べ幾分細めの花で、葉姿の美しい小型種。白花も普及)など。

●和名

駒草。高山植物の女王とも称され、面長な花形が馬の顔に似ていることから名付けられた。
別名、樺太駒草

●花言葉
高嶺の花、誇り、気高い心、貴重品。
●参考図書
園芸植物(山と渓谷社)、日本の山野草(NHK出版)、山野草大百科(懇談社)、山草図鑑(栃の葉書房)