ムラサキケマン

最終更新日
2018/01/14
●学名
Corydalis incisa
●科名
ケシ科キケマン属
●花期
4月〜6月
●生育地
北海道、本州、四国、九州に分布。平地や山麓の日陰の、やや湿ったところに生える越年草。
●特徴

ムラサキケマンは全体がやわらかく、傷つけるとやや悪臭がある。茎は高さ20〜50cm。葉は2〜3回羽状にこまかく裂け、裂片はさらに深く切れ込む。花は紅紫色。ときに白色。長さ1.2〜1.8cmの筒状で先は唇形となり、茎の上部にびっしりと総状につく。刮ハは総状長楕円形で吊り下がる。

ムラサキケマンの花の雄しべと雌しべは、通常、上下の花びらにはさまれて見えないが、ハチがやってきて蜜を吸おうと花びらを押し下げると、雄しべ雌しべの先が出てくる。ハチの体を介して花粉を受粉し、ハチが去ると花びらは再び元の位置に戻って、雄しべ雌しべを隠す。
また、ケシ科の植物の多くは、種子にアリの大好物エライオソームがついていて、親の植物から離れたところに散布される。小さな花に種をつなぐ知恵がつまっている。

品種で、白花種にシロヤブケマン、純白のユキヤブケマンなどがある。

有毒植物。全草に有毒成分のアルカロイドを含み、嘔吐、酩酊、昏睡、心臓麻痺の症状になる。

●写真集

ムラサキケマンの花ムラサキケマン 太平山

ムラサキケマンの花ムラサキケマン 星野自然村

シロヤブケマンの花シロヤブケマン 星野自然村

●育て方

花前はよく日に当てるが、花後は半日蔭で乾き気味に育てると良い。葉のある期間中は薄い液肥を与えるほか、多肥に注意する。

越年草なので、毎年実生で殖やし、鉢植え用に移植すると良い。丈夫な草なので用土は特に選ばない。

●近縁種

エゾエンゴサク (本州北部の日本海側と、北海道の湿った林下やスキー場のような開墾地似生える多年草。)

キケマン (関東地方以西の海岸や低地に生える越年草。黄花。)

ジロボウエンゴサク (平地の草地などに生える多年草。)

ミヤマキケマン (本州の近畿地方以北に分布。山地 日当たりのよい、林縁、道路法面、崩壊地、谷川の礫地などに生える越年草。)

ヤマエンゴサク (山林の林下に群れをなして生える多年草。)

●和名
紫華鬘。華鬘は仏教の欄間などの装飾具のこと。同属のケマンソウがこれに似ているのが名前の由来。
●参考図書
日本の野草(山と渓谷社) 、 里山さんぽ植物図鑑(宮内康之監修、成美堂出版)