ユキグニミツバツツジ

最終更新日
2019/03/23
●学名
Rhododendron lagopus var.niphophilum
●科名
ツツジ科ツツジ属
●花期
4月〜6月
●生育地

本州(秋田県南部〜鳥取県東部の日本海側、近畿地方に分布し、山地の林内や林縁、岩場などに生える。

●特徴

落葉低木。高さ1〜3mになる。樹皮は黒褐色または灰黒色。若い枝は淡褐色で無毛。花芽は長さ1.5cmほどの長楕円状卵形。芽鱗は褐色で、背面の上部とふちに毛が密生する。葉痕は半円形またはややハート形、繊維束痕は1個。葉は枝先に3個輪生する。葉身は長さ5〜8cm、幅4〜6cmの広い菱形。中央部よりすこし下がもっとも幅が広い。先端は短くとがり、基部はくさび形。表面ははじめ白色のやわらかい長毛があるが、のちに無毛。裏面は全面に淡褐色の毛があり、とくに主脈の基部付近に密生する。葉柄は長さ3〜8mmで無毛。花は葉の展開前または展開と同時に開花し、枝先にあざやかな紅紫色の花を1個ずつつける。咲きはじめはとくに色が濃い。花冠は直径3.5〜4.5cmの広い漏斗形、やや深く5裂し、上側の裂片には濃い斑点がある。雄しべは10個。花糸と花柱は無毛。子房には白色の長毛が密生する。萼と花柄には淡褐色の長い毛が生える。果実は痩果。長さ8〜10mmのゆがんだ卵状円柱形、外面には毛が密生する。7〜9月に熟し、裂開する。

●写真集

ユキグニミツバツツジの花ユキグニミツバツツジ 坂戸山

●育て方

水はけがよく、保水も良い用土で植える。
一年中よく日に当てる。
生育期間中は肥培する。
繁殖は挿木、実生とも可能ですが、実生のほうがよい。

●近縁種

キヨスミミツバツツジ (本州の千葉県の清澄山、静岡県の天城山周辺、紀伊半島東部の一部に分布し、山地の傾斜地などの日当たりのよい所に自生している。)

コバノミツバツツジ、(他のミツバツツジより葉が小さいのでこの名がある。本州の静岡県以西、四国、九州の雑木林に自生する、高さ1.5m〜3mの落葉低木。)

サイコクミツバツツジ (本州の山形県北部から日本海側の山地を西へ近畿、中国、四国の一部、さらに九州の一部と屋久島などに分布し、かなり高い山に自生している。)

ダイセンミツバツツジ (本州の鳥取県以西と四国の小豆島に分布。花色は濃紫紅色から紫紅色、さらに花弁に白斑の入るものもある。)

タカクマミツバツツジ (九州南部の宮崎、鹿児島に分布し、山地の向陽地に自生する。トサノミツバツツジに近い種。)

トウゴクミツバツツジ (本州の東北〜近畿地方の太平洋側の山地の林内に自生する。花期は4〜5月。)

 

トサノミツバツツジ (本州の関西地方南部と四国に分布し、低地の岩場や川岸の断崖など、日当たりのよい所に自生する。花色は紫紅色で、白花や源平咲きの個体も見つけられている。)

ナンゴクミツバツツジ (九州南部の熊本、宮崎、鹿児島の一部に分布し、山地の稜線や崖地、傾斜地などに自生している。樹高は4〜6mで、花は紅紫色。)

ハヤトミツバツツジ (九州南部の低山の日当たりのよい所に自生し、葉は厚く照り葉で広卵j状菱形、花色は紅紫色で5月に咲く。)

ミツバツツジ、(ミツバツツジの仲間は雄しべが10本あるが、本種だけは5本である。関東、中部地方に分布。)

ヤクシマミツバツツジ (屋久島だけに分布。山地で背丈の低い木に混じって生える。)

●和名
雪国三葉躑躅。
分布が本州の日本海側の多雪地にかたよっていることからつけられた。
●参考図書
樹木、樹に咲く花(山と渓谷社)