アズマシャクナゲ

最終更新日
2018/07/16
●学名
Rhododendron degronianum
●科名
ツツジ科ツツジ属
●花期
4月〜6月
●生育地

日本固有。信州、飛騨の山から関東、東北の亜高山帯の山の岩場や礫の多い林内や林縁に生える常緑低木。

●特徴

花がツクシシャクナゲやホンシャクナゲの7弁に対し、5弁。高さ1〜6mになる。枝はあまり伸びない。樹皮は、灰白色。
葉は互生。枝先に集まってつく。葉身は長さ5〜15p、幅1.5〜3.5pの倒披針形または楕円状披針形。革質で、表面に光沢がある。裏面は淡褐色の真綿状の軟毛が密生し、スポンジ状になる。毛はツクシシャクナゲより薄い。
花は枝先に淡紅紫色〜紅紫色、ときに白色の花が3〜12個つく。花冠は直径4〜6cmの漏斗状鐘形で、上部は5裂する。花柄は長さ1.5〜3p、縮れた毛が生える。
果実は痩果。長さ1〜2.5pの円錐形。

●写真集

アズマシャクナゲアズマシャクナゲ 日光・白根

アズマシャクナゲアズマシャクナゲ 日光植物園

●育て方

生育期は日当たりで管理し、夏の直射光は避ける。施肥は春、秋に有機質肥料を与えるほか、薄い液肥を与える。病虫害については比較的安全だが、カイガラムシが発生することもあるので、6月にカルボス乳剤、11月に石灰硫黄合剤などを散布すると良い。

植え替えは2〜3年に1回を目安に9〜10月に行う。

赤玉土7、硬質鹿沼土3の混合土で水持ちよく植える。他のシャクナゲも同様。

●近縁種

オモシロヤマシャクナゲ (東北の面白山に産するアズマシャクナゲで、小葉の這い性タイプで珍重されている。)

キバナシャクナゲ (北海道、本州の新潟・栃木県、北・中央〜南アルプス、八ヶ岳に分布し、クリーム色で漏斗形の花を咲かせる。)

クロヒメシャクナゲ (キバナシャクナゲとアズマシャクナゲの自然交配種とみられ、葉はアズマシャクナゲに近いもの。)

ツクシシャクナゲ (近畿の高い山から中国、四国、九州の山に自生している。花はボール咲き。)

ハクサンシャクナゲ (北海道、本州の中部地方以北、四国の石槌山に分布し、花冠は白色、上側の裂片中央に淡緑色の斑点がある。)

ホソバシャクナゲ (愛知県の鳳来山にのみ分布していて、日本産では一番低地に自生する。葉が細長いので、ホソバと呼ばれている。)

ホンシャクナゲ (飛騨地方から近畿、中国、四国の比較的低残に自生する高さ2〜4mの常緑低木。ツクシシャクナゲの変種と考えられ、葉の裏に毛が無いのが異なる。花期は5〜6月。)

ヤクシマシャクナゲ (屋久島の高山に自生する高さ50〜150cmの常緑低木。花期は5〜6月。)

●和名

東石楠花。東北地方や関東地方など、東国に分布するのでこの名がつけられた。
別名シャクナゲ。

●参考図書
樹に咲く花、高山に咲く花(山と渓谷社) 山草図鑑(栃の葉書房)