ダイモンジソウ

最終更新日
2016/01/30
●学名
S.fortunei var. incisolobata
●科名
ユキノシタ科ユキノシタ属
●花期
7〜8月
●生育地

この属は北半球の温帯から寒帯を中心に300種ほどもあり、日本には16種ほどの多年草。分布域が広く、とくに葉の形や裏面の色に変化が多い。
ダイモンジソウは山地の湿った岩上などに生え、北海道から九州、朝鮮半島、中国、ウスリー、サハリン、南千島へと分布する。

●特徴

高さ5〜30cmの花序を伸ばし、数回分枝して集散花序をつくる。ふつう白色の花を付ける。葉は腎円形で、5〜15裂し、縁に鋸歯がある。

多くの園芸種が流通しており、花色は鮮赤や緑、黒に近い濃色など、花形も多弁、円弁、八重など様々で、秋になると園芸店を賑わす。

●写真集

ダイモンジソウの花ダイモンジソウ 日光・白根

ダイモンジソウの花ダイモンジソウ 日光植物園

ダイモンジソウの花紅花ダイモンジソウ

ダイモンジソウの花ダイモンジソウ 庭の秋

●育て方

成長期は日当たり、夏は半日陰で管理する。

水やりは表土の乾きを見て、たっぷりと与え、過湿に注意する。石付けは乾燥しやすいので夏は腰水栽培が良い。休眠期も与える。

肥料は春・秋に薄い液肥を与える。

植え替えは芽出し前に行う。

用土は水もちのよい配合として、硬質鹿沼土7に軽石砂3などを配合。

殖やし方は株分けが手軽で一般的。鉢から抜いた株は土をよく落として芽に根が付いた状態になるようにはさみなどで切り分ける。

●近縁種

イズノシマダイモンジソウ (葉身は腎円形で厚く、茎や葉に毛が多い。房総半島南部と伊豆七島に分布。)

ウラベニダイモンジソウ (ミヤマダイモンジソウの中で、葉裏の紅色が濃いものをいう。)

エチゼンダイモンジソウ (福井県の一部に分布する葉が深く切れこむ種。春から初夏に開花する。)

ジンジソウ (関東以西の本州から四国、九州に分布。花が人の文字に似るのでその名がある。葉が濃い紫色を帯びるムラサキジンジソウも普及。)

センダイソウ (本州の紀伊半島から四国、九州に分布。ジンジソウの花に似るが、茎が直立して葉が茎から出る。モミジセンダイソウも普及。)

タンチョウソウ (中国東北部〜朝鮮半島に分布する、半日陰の岩壁などに生える多年草。)

ミヤマダイモンジソウ (高山性で全体的に小型。花びらの幅は広く丸みがあり葉裏が紅色。ダイモンジソウはミヤマダイモンジソウの命名上の母品種。)

ハルユキノシタ (春咲き種。本州の関東から近畿地方に分布。通常は白い花だが、花弁が紅色を帯びる種はベニバナハルユキノシタと呼ばれる。)

ユキノシタ (本州、四国、九州に分布。山の湿った半日陰の岩場などに自生する多年草。)

●和名
大文字草、花弁は 5 枚、上の 3 枚は短く、下の 2 枚が長いため、「大」という字に似ていることから「大文字草」の名前がある。ユキノシタも同じような形の花だが、花の咲く季節が違うのと、葉にも明らかな違いがある。
●参考図書
日本の高山植物(山と渓谷社)、山野草大百科(講談社)、山草辞典(栃の葉書房)