従来はユキノシタ科に入れられていたが、花形の違いによりアジサイ科として独立された。17属170種が北半球に分布し高木、低木、蔓性、草本がある。葉は対生、単性、拓葉はない。花は両性、集散花序または単生、花弁4、5。萼が花弁状(装飾花)になる種類がある。一部の花が不稔性になる。
よく知られているのはアジサイだが、花に見えるのは萼で、花弁は退化している。Hydrangeaは「水差し」の意味。果実がコップ形であることに由来する。
(印象)アジサイは大きな株になるため、普通の家庭の庭なら何種類も植えることは不可能に近い。しかし、花も大きく、ガクアジサイなどを咲かせると、それはそれで、とても楽しめる。余裕があったら是非一株は植えておきたい。育て方は難しくなく、ほとんど手間いらずだしね。

コアジサイは本州(福島以西)に分布し、花序の周縁に装飾花がない。トカラアジサイは琉球(黒島、トカラ列島、徳之島、沖永良部島、伊平屋島)に分布し、花序に柄がなく、屋久島に固有変種ヤクシマアジサイが分布する。リュウキュウコンテリギは沖縄島に分布し、花序の周辺に装飾花がない。ガクウツギは本州(関東〜近畿)、四国、九州に分布し、両性花は径5oほどであり、葉の表面には光沢がある。コガクウツギは本州(伊豆半島、近畿以西)、四国、九州に分布し、両性花は径8oほどであり、屋久島に葉身の長さ3〜5pと長い固有変種ヤクシマガクウツギが分布する。ヤエヤマコンテリギは、琉球(石垣島、西表島)に分布し、葉は厚く革質で常緑である。
ヤマアジサイは日本固有とされることがあるが、朝鮮半島にも分布する。エゾアジサイは北海道、本州(島根伊東の主に日本海側)、九州に分布し、全体に大形で、葉身は長さ(10〜)13〜17pであり、伊豆半島に分布する固有変種アマギアマチャは葉身が広披針形で、幅2〜3pほどである。本州(関東、中部、近畿東部)に分布する固有変種アマチャは葉身は幅(3〜)4〜5cmで、装飾花の萼裂片は広倒卵形である。九州(宮崎)に分布する固有変種ヒュウガアジサイは葉の裏面の脈腋に白毛が密生する。九州(鹿児島)に分布する固有変種ナンゴクヤマアジサイはヒュウガアジサイに似るが、葉の裏面に細脈上に毛がある。

その他の種としてアジサイ、カシワバアジサイ、ノリウツギなどがある。
ヒメウツギは本州(福島・新潟以南)、四国、九州に分布し、葉の裏面に星状毛がない。コミノヒメウツギは九州(大分、熊本、宮崎)に分布し、葉の裏面は淡緑色で灰白色でなく、雄蕊は花弁より長く、花糸の翼の上端にはやや歯牙があり、果実の径は1,5oほどである。ウラジロウツギは本州(中部、近畿)、四国に分布し、葉の裏面に星状毛が密生し、白味を帯びる。ブンゴウツギは九州(福岡、大分、宮崎、熊本)に分布し、葉の裏面に星状毛がまばらである。オオシマウツギは琉球(奄美大島、徳之島、喜界島、加計呂麻島)に分布し、雄蕊の花糸の翼は上端が歯牙状に突出しない。沖縄島には固有変種オキナワヒメウツギが分布し、葉は葉身の長さが2〜3pと小さい。ヤエヤマヒメウツギは西表島に分布し、花弁は大きく、長さ1cm程である。マツバウツギは本州(関東以西の太平洋側)、四国、九州に分布し、花序のつく枝の葉は無柄で、基部はやや茎を抱く。九州は固有変種ツクシウツギが分布し、葉の先は鋭形で、雄蕊の花糸の翼の上端はやや歯牙状である。マルバコウツギは本州(岡山)、九州(熊本、大分、宮崎)に分布し、葉は無柄で、花糸の翼の上端はやや歯牙状である。
キレンゲショウマ属(Kirengeshoma)・・・日本人研究者により日本の学会誌に初めて記載された新属第1号が、キレンゲショウマ属、アジサイ亜科アジサイ連の一員とする説や、1種1属で独立のキレンゲショウマ科を設置する説など、さまざまな見識がある。キレンゲショウマを含む。最終更新日 2018/02/26