イワタバコ科
学名：Gesneriaceae
分類：双子葉植物
熱帯を中心に１４１種２９００種、日本に８属８種、日本の固有植物は１種、旧世界産と新世界産は亜科レベルで二分される（マツムラソウ属を除く）。葉形の違いをもとにシシンランを台湾、中国産と区別し、日本の固有種とする見解もあるが、台湾産と比較すると有意な差は認められない。ヤマビワソウの種内において、日本の固有変種としてタマザキヤマビワソウを認める見解もあり、更なる研究が必要である。APGⅢ分類体系でも科の扱いに変更はない。
多くは草本であるが、低木やごくまれに高木になるものがある。花は両性で左右相称、花冠は合弁で５裂する。雄しべは２または４、まれに５ある。子房は１室、多数の胚珠をつける。果実は蒴果、または液果で、ごく小さい種子を多数つける。岩肌や樹上に着生するものもある。
観賞用に良く栽培されるセントポーリアはこの仲間。
（印象）自生地で見たことはなく、２０１３年に購入できた。青紫色の可愛い花で、名前から想像するよりもいい感じだ。
イワタバコ科の屬と花の紹介（四季の山野草編）
- アキメネス属（Achimenes) ・・・アメリカ西部、西インド諸島、南アメリカ北部に２５種が分布する。
この属には、アキメネスがある。 - イワギリソウ属（Opithandra）・・・日本と中国に８種が分布する。かつては日本の固有属とされていたが現在では中国産の種を含む見解が主流である。花冠は左右対称、細い筒があり、先は２唇形となる。
イワギリソウは本州から九州にかけての湿潤な岩場に生育する。花弁の形態に著しい種内変異が見られ、特に九州南部産の個体が丸みを帯びる。 
イワタバコ属（Conandron）
・・・東アジアに2種分布し、うち日本には1種が自生する多年草。花冠は放射相称、車形に深く５裂し、短い花筒がある。
この属には、イワタバコがある。- エスキナンサス属（Aeschynanthus）・・・インドから熱帯アジアに約１００種が分布する低木、または蔓性植物。
この属にはエスキナンサスがある。 - エビスシア（ベニギリソウ）属（Aeschynanthus）・・・西インド諸島、メキシコ南部、ブラジルに６種分布する草丈の低い多年草。
この属にはエビスシアがある。 
オニイワタバコ属（Ramonda） ・・・東ヨーロッパに分布がある。
この属には、オニイワタバコ、ラモンダ・ナタリアエ、ラモンダ・セルビカなどがある。- シニンギア属（Sinningia）・・・ブラジル原産の草丈１５～２０ｃｍになる常緑または落葉性の多年草。約７５種が知られ、多くは塊茎または地下茎をもつ。
この属には、シニンギア、レクステイネリアがある。 - シシンラン属（Lysionotus） ・・・日本から台湾、中国、ヒマラヤなどに２０種ほどで、日本にはシシンラン１種が自生。普及する種は多花性の台湾や中国の導入種。
- ストレプトカーパス属（Streptocarpus）・・・アフリカ、マダガスカル、アジアに約１３０種が分布する一年草または多年草で、まれに低木になる。
この属には、ストレプトカーパスがある。 - スミシアンサ属（Smithiantha）・・・メキシコ南部を中心にグアテマラにかけて、林床に３、４種が分布する。鱗茎で、葉は対生または輪生する球根植物、花は長い花茎をもち、頂生して総状花序をなす。花冠は筒状、または釣鐘状で先端部は５裂する。
この属には、スミシアンサがある。 - セントポーリア（アフリカスミレ）属（Saintpaulia)・・・タンザニア北部からケニアの南部にかけて分布し、24種が知られている。小型で多肉質の多年草。
この属には、セントポーリアにある。 - ネマタンツス属（Nematanthus）・・・木または蔓性の多年草で、古い茎は木化する。園芸的に知られているヒポシルタ属は本属に併合される。
この属には、ヒポシルタがある。 
ペトロコスメア属（Petrocosmea）・・・中国雲南省、四川省を中心に約38週類ほどが分布する。
この属には、スミレイワギリソウがある。- マツムラソウ属（Titanotrichum）・・・琉球の石垣島、西表島から台湾、中国に分布する１属１種の植物。マツムラソウは晩秋に内部が赤褐色を帯びる黄色の花を咲かせる。
参考文献
最終更新日 2018/03/21
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