主として、北半球の亜熱帯から寒帯に、一部は南半球に分布し、世界に28属1000種、日本に10属38種16変種。日本の固有植物は16種16変種。APGV分類体系では、従来のヤブコウジ科などを含んで広く定義されている。
サクラソウ属がもっとも大きく約半数を占める。草生、葉の形態などはさまざまだが、花は両性花で放射相称、または左右相称の5数性をしめす。まれに4〜9数性。萼は合着し花冠は合弁、先端部は5裂する。雄しべは筒部につき、花冠の裂片数と同数。柱頭は1個で頭状となる。プリムラ類では花柱の長短2種がある。子房は上位で1室。果実は刮ハ。
(印象)サクラソウは水が豊富なところでよく育つようで、我家の庭では不得意な植物の代表だ。プリムラ類は柄が大きく色も繊細さにかけるので好きではないので、結局住み着いているサクラソウ科の花はなく、残念な結果だ。
オカトラノオ属(Lysimachia)・・・北アメリカ、ヨーロッパ、南アフリカに約150種が分布する一年草、または多年草。その中で園芸的に利用されているものは数種にすぎない。
その他の種として日本及び朝鮮半島、中国に分布するオカトラノオや朝鮮、中国、樺太、シベリアと日本各地に分布するクサレダマがある。
オオサクラソウは葉が円形で掌状に分裂し、柄が明瞭で、花は1〜3段に輪生し、北海道〜本州(静岡以北)に分布し、湿地に生える。カッコソウは群馬県に分布し、全体に白色の開出する長毛があり、葉は円形で掌状に浅く切れ込み、林下に生える。シコクカッコソウは萼筒は長さ1cm以上となり、萼片の先は鎌形、四国に分布する。クリンソウは葉が倒卵状長楕円形で柄が明瞭ではなく、下面に腺点があり、北海道〜九州に分布する。
ユキワリソウは葉は下面に黄色の粉状物があり、葉身は倒卵形で基部は次第に細くなり、本州(吾妻山、中部地方、紀伊山地)に分布する。イシズチコザクラは葉柄が明瞭で、花数が多く、四国、九州(宮崎)に分布し、石灰岩地に生える。ユキワリコザクラは葉が広卵形〜楕円形、基部が細くなって明瞭な葉柄となり、北海道、本州(東北)に分布する。レブンコザクラは葉が大型で長楕円形となり、刮ハが萼筒よりも長くなるもので、北海道(礼文島、夕張山地、知床半島、北見山地)の草地に生える。サマニユキワリは葉が倒披針形〜楕円形で明確な葉柄があり、北海道日高山脈のアポイ岳周辺の超塩基性岩地に生える。
ユウバリコザクラは葉は披針形、下面に白色の粉状物があり、花は紅紫色、萼筒は浅裂し、夕張岳高山帯の超塩基性岩地に生える。ソラチコザクラは葉がへら形で、萼筒は深裂し、夕張岳と日高山脈の渓谷の岩上に生える。ヒメコザクラは葉は広卵形〜卵形、下面に粉状物はなく緑色で、花は白色、早池峰山上部の超塩基性岩地似生える。


この他にフランスからハンガリーの山地に自生するプリムラ・オーリキュラ、中国西部からヒマラヤにかけて分布するプリムラ・オブコニカ、コーカサス原産の小型種のプリムラ・ジュリアン、中国雲南省、四川省原産の多年草でプリムラ・マラコイデス、日本から朝鮮半島、中国東北部にかけて自生するサクラソウなど。
シクラメン属(Cyclamen)・・・地中海沿岸から中近東にかけて、約19種が分布する塊茎をもつ多年草。
この属にはツマトリソウがある。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2018/02/26