北半球の温帯域を中心に13属420種、日本に54種27変種、日本の固有植物は29種。わずかに南半球からも知られている。従来のスイカズラ科はオミナエシ科やマツムシソウ科とともにマツムシソウ目に再編された。マツムシソウ目はガマズミ属、ニワトコ属、レンプクソウ属などからなるレンプクソウ科とそれ以外のスイカズラ科から構成されている。
ふつう低木、まれに草本もある。葉は対生する。花は放射相称または左右相称。萼と花冠はふつう5裂。雄しべは4〜5個が花冠上に裂片と互生してつく。子房は下位。果実は核果、液果、刮ハなどいろいろ。
(印象)オオカメノキが新緑が出るか出ないかのうちに花を咲かせるので、山では目立つ存在。右の写真のような状況ですから、とても印象に残ります。

オミナエシ属(Patrinia)・・・オミナエシ科から編入。東・中央アジアに15種、ヨーロッパに1種、日本に5種ある。花は黄色か白色。萼片は小さく、花のあと冠毛状にのびない。
ガマズミ属(Viburnum)・・・世界の亜熱帯から温帯にかけ約150種あり、日本には15種ほどある。
タニウツギ属(Weigela)・・・東アジアに10数種、日本に8種ある。落葉低木。葉は単葉で鋸歯がある。花序は集散状。花は左右相称。果実は刮ハで上部が2裂する。多数の種子がある。
マツムシソウ属(Scabiosa)・・・マツムシソウ科から編入。地中海沿岸から西アジアに多く世界に約100種、日本に1種3変種ある。軟毛のある草本。小花が集まって頭花をつくり、ふちの舌状花から中心のほぼ筒状の小花まで移り変わる。キクの花に似るがキクでは葯が合成するのに対し、葯は離生する。
マツムシソウは高さ60〜90cmになり、頭花は直径約4cm、葉は2回羽状に切れ込み、終裂片は鈍頭で、本州、四国、九州に分布し、山地高原に生える。エゾマツムシソウは葉の終裂片が鋭頭で、北海道、本州の津軽半島に分布する。タカネマツムシソウはマツムシソウに比べて頭花が大きく、直径約5cmとなり、本州の東北南部から中部、四国の愛媛県東赤石山に分布し、高山帯〜山地帯の草原に生える。ソナレマツムシソウ(アシタカマツムシソウ)は茎や葉に長毛が密生し、葉がやや厚く光沢があり、本州(千葉、神奈川、静岡、愛知)の海岸や内陸の山地に分布する。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
最終更新日 2018/02/26