リンドウ(竜胆)

最終更新日
2017/10/03
●学名
Gentiana scabra var.buergeri
●科名
リンドウ科リンドウ(ゲンティアナ)属
●花期
9月〜11月
●生育地

リンドウ属はアフリカを除く世界各地に300種ほどあり、日本には約13種が分布する。

本州、四国、九州の山地、原野に自生する多年草で、変異株が多い。

●特徴

高さ30〜80cm、茎の基部は地を這い、途中から直立するか斜めに立つ。葉は対生し、、長さ3〜8cm、幅1〜3cmの卵状披針形で先はとがり、3脈が目立つ。花冠は長さ4〜5cmで先は5裂する。裂片の間には副片があり、内側には茶褐色の斑点がある。葉は卵状披針形で縁はざらつく。果実は刮ハで枯れた花冠に包まれ、熟すと2裂する。種子は紡錘形で翼がある。
花は紫色で、白花種や桃色花種、二重咲き種などが普及する。

リンドウの根から抽出されたゲンチアナチンキは健胃薬として使われてきた。漢方ではこれを竜胆(りゅうたん)と呼ぶ。

●写真集

リンドウリンドウ 日光・白根

リンドウリンドウ 日光植物園

リンドウ(竜胆)リンドウ 庭の秋

●育て方

3〜4号程度の中深鉢に肥沃な用土として、赤玉土4に軽石砂4、腐葉土2などを配合して植える。

植え替えは2年毎に3〜4月中旬に行う。

通年、日当たり(日が当たらないと花が開かない性質がある)と風通しの良い場所に置く。

水やりは表土の乾きを目安にたっぷりと与える。休眠期も忘れずに与える。

施肥は植え付け後に鉢の縁に有機性もしくは化成の固形肥料を置肥する。

殖やし方は植え替え時の株分けと、摘心で得た穂を挿し芽、また実生増殖も容易。

●近縁種

アサマリンドウ (伊勢の朝熊山にその名が由来する小型種。紀伊半島、中国地方、四国、九州に分布。)

エゾオヤマリンドウ (北海道、本州の東北地方に分布。)

エゾリンドウ (北海道、本州、中部地方以北の山地に自生。切り花として売られているリンドウは、エゾリンドウの栽培品。)

オヤマリンドウ (東北から中国地方、四国の亜高山に分布し、エゾリンドウに似るが花冠の上部が平開しない。)

ゲ・アスクレピアデア (独特な花形。ヨーロッパ、アジア西部などの原産種。)

ゲ・ファレリー (チベットや中国北西部の原産種。葉が綿状で濃い青色の花に青緑色の縞が入る。ゲ・シノーオルナータも同様な種で明るい青紫色の花、中国の雲南や四川省の原産種。これらの種には多くの園芸品種がある。)

タテヤマリンドウ (北海道と本州の中部地方以北に分布し、亜高山帯から高山帯の湿原に生え、全体が小さく、また花茎の数が少なく、花もやや小型で淡紫色〜白色のもの。)

ツルリンドウ (日本各地に分布するつる性の多年草。)

トウヤクリンドウ (本州の中部地方以北の高山帯の草地や風衝地、時に湿地の周辺に生え、花色が日本産のリンドウ属との種としては例外的な淡黄白緑色の多年草。)

ハルリンドウ (日当たりがよく、湿り気のある草地に生える越年草。冬はロゼットで冬越しする。)

フデリンドウ (山野の日なたに自生し、ハルリンドウよりやや小型。根元の葉はロゼットにならない。北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国、サハリンなどに分布。)

ホソバリンドウ (リンドウの細葉形で、葉が線形になる。やや湿った所に生える。)

ミヤマリンドウ (北海道・本州の中部地方以北に分布。花冠裂片の副片は平開する。)

ヤクシマリンドウ (屋久島原産種。細い葉が輪生する。暖地では育てにくいが、寒冷地での増殖苗が流通する。)

●和名
竜胆。
●参考図書
園芸植物(山と渓谷社)、山草辞典(栃の葉書房)