ほぼ世界中に80属1500種、日本に10属39種1亜種7変種、日本の固有植物は17種1亜種10変種、APGVの分類体系でも大きな変更はないが、従来マチン科とされていた一部の属を含むようになった
一、二年草または多年草で、観賞価値のある種類が多い。根茎をもつものが多く、葉は対生、輪生で托葉を欠く。花は両性花で、単一で頂生するものと集散花序を形成するものがある。4〜8裂した筒状の合弁花冠をもつ。雄しべは花冠裂片と同数、雌しべは単一で、柱頭は単一または2裂する。子房は1室または2室で、多数の胚珠を形成する。果実は乾果であるが、まれにツルリンドウ属のように液果のものもある。ゲンチオピクリンやスウエルチアマリンなどの苦味成分を含み、リンドウ、センブリ、シマセンブリ属の植物は、健胃薬として利用されてきた。
(印象)青い花の印象が強い。青の種類は様々だが、リンドウに代表される深みのある青はとても好きな色の一つだ。
エゾタカネセンブリは花期に根生葉は生存せず、花は赤紫色、花冠裂片は長さ約1cm蜜腺は心形で周囲に毛はないかまばらに長毛があり、北海道に分布する。タカネセンブリは花は青紫色、花冠裂片は長さ約5mm、本州(中部以北)に分布する。ハッポウタカネセンブリは北アルプスの八方尾根に分布し、萼裂片の脈が明瞭でない植物である。
この他に、アケボノソウやセンブリなどもこの属に含まれる。
ツルリンドウ属(Tripterospermum)・・・日本に2種1変種あり、うち1種1変種が固有。
ハナイカリ属(Halenia)・・・アジア、アメリカに約40種知られている。
ユーストマ屬(Eustoma)・・・北アメリカの南西部からメキシコ、南アメリカの北部から西インド諸島に分布し、3種がある。

アサマリンドウは多年草で、花期に根生葉はなく、萼裂片は卵形で平開し、葉は有柄、本州(三重、奈良、和歌山)、四国に分布する。 リンドウは顎裂片が披針形〜線形で斜上し、葉は縁がざらつき、無柄。本州、四国、九州(〜沖永良部島)に分布する。キタダケリンドウは萼裂片が狭卵形で長短の二型あり、南アルプス北岳に分布する。オヤマリンドウは葉の縁がざらつかず、本州(中部以北)、四国(石鎚山)に分布する。ミヤマリンドウは副花冠は狭三角形で、開花時に開出し、北海道、本州(中部以北)に分布する。イイデリンドウは本州(飯豊山)に分布し、副花冠が直立して花冠のど部を被うものである。
ヤクシマリンドウは葉が四枚輪生し、萼筒や花冠が6〜8裂し、屋久島の高所に分布し、岩場に生える。コヒナリンドウは一年草で、根生葉は花期にも生存し、花はほとんど無柄、花冠は萼筒より明らかに長く、本州(日光女峰山、南アルプス三伏峠、福井県三ノ峰)に分布する。なお、福井県のものはコヒナリンドウそのものと花糸や種子などに違いがあり、検討を要する。タテヤマリンドウは花は有柄で、花冠は萼筒の二倍以上あり、北海道〜本州(中部以北)に分布し、高山帯の湿地に生える。ヤクシマコケリンドウは花冠は長さ約1cmの萼筒の二倍以上長く、萼筒は長さ5oほどで、萼裂片は狭三角形披針形で鋭尖頭、屋久島の高所に分布する。リュウキュウコケリンドウは花冠は萼筒よりもわずかに長く、刮ハも萼筒より少し長く、鹿児島県(屋久島、宝島、徳之島、喜界島、沖永良部島)に分布し、沿海地に生える。ミヤココケリンドウは花期に根生葉がなく、茎葉は肉質で、副花冠の先端が2浅裂し、沖縄(宮古島)に分布し、隆起サンゴ礁状の草地に生える。


その他にエゾリンドウ、白花品種のシロバナエゾリンドウ、エゾオヤマリンドウ、 コケリンドウ 、タカネリンドウ 、トウヤクリンドウ 、 ハルリンドウ 、フデリンドウ、ホソバエゾリンドウなどがある。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2018/06/07