イワシャジン

最終更新日
2015/10/17
●学名
Adenophora takedai
●科名
キキョウ科ツリガネニンジン属
●花期
6月〜10月
●生育地

関東西部と中部の西南部に分布。山地の多湿な岩場などに生える多年草。

●特徴

茎は細く垂れさがり、長さ30〜70p。花は総状花序につき、長い花柄がある。葉は互生し線形。

清楚な白花種も広く流通。仲間はアジアからヨーロッパにかけて50種ほど分布。日本には10種ほどある。

●写真集

イワシャジンの花イワシャジン 日光・白根

●育て方

硬質鹿沼土5に軽石砂5なんどの混合土で植える。暖地では夏期の水切れや乾燥防止のためのミズゴケを張る。

植替えは毎年行う。適期は新しい芽が展開する3月上旬〜4月中旬。

芽出しから初夏までは風通しの良い日なたの場所に、その後は長雨を避けて風通しの良い半日陰に置く。

水やりは表土の乾きを見て与える。イワシャジンは葉枯れ予防のため、暖地での夏期は腰水での栽培もよい。

施肥は植え付け後に有機性や化成の固形肥料を置肥、秋に同じ肥料を追肥。

殖やし方は実生または根茎を切り分ける。株分けでは切り口に癒合剤を塗って腐敗を防ぐ。

●近縁種

ソバナ (山地の草原や林のふちなどに生える高さ1mほどの多年草。)

タマシャジン (ヨーロッパアルプスに分布し、日当たりのよい草原に自生する。)

ツクシイワシャジン (九州の一部に自生。雌しべが花冠から長く出る。)

ツリガネニンジン (山野や海岸の草地などに生え、北海道から九州、南千島、サハリンに分布する。)

ハクサンシャジン (ツリガネニンジンの高山型の変種)

ヒメシャジン (本州の東北地方南部〜中部地方に分布する。萼片は細く、鋸歯がある。)

ホウオウシャジン (イワシャジンの高山型の変種。葉が細く下垂して開花する鳳凰三山の特産種。白花酒も普及。)

●和名

岩沙参。ツリガネニンジン属は太い根茎を持ち、一部の種は漢方薬の沙参として利用され、その名がある。

別名トトキ。

●参考図書
日本の高山植物(山と渓谷社)、山草辞典(鞄ネの葉書房)、山野草大百科(講談社)