アカヤシオ

最終更新日
2018/01/20
●学名
Rhododendron pentaphyllum var.nikoense
●科名
ツツジ科ツツジ(ロドデンドロン)属
●花期
4月〜5月
●生育地

本州の東北地方南部から鈴鹿山系までの、日当たりのいい岩山などに多く自生している落葉低木。

群馬県赤城山、埼玉県両神山、栃木県日光の古峰ヶ原や鳴虫山、静岡県岩岳山周辺(京丸)は天然記念物に指定など。長野県佐久市の兜岩山から荒船山にかけても群生地があり、5月上旬が見ごろ。

●特徴

栃木県の県花。

高さ2〜6mになる。

樹皮は灰黒色〜灰褐色でなめらか。

花芽は枝先につき、長さ1.4pほどの紡錘形。葉芽は長さ5〜6oとやや小さい。葉痕はハート形、維管束痕は1個。

葉は枝先に5個ずつ輪生する。葉身は長さ2〜5p、幅1.5〜3pの広楕円形。展開したばかりの葉は外側へ巻く。先端は短くとがって、腺状突起がある。ふちには長い毛が生える。表面は主脈上に短毛がまばらに生え、裏面は主脈の基部に短毛が散生し、軟毛が密生する。葉柄は長さ3〜5o、長毛と短い腺毛がある。

花は4〜5月、葉が展開する前に開花する。枝先に淡紅紫色の花が1〜2個つく。花冠は直径5〜6pの広く開いた漏斗形で、深く5裂する。裂片は倒卵形で先端はへこむ。雄しべは10個あり、上側の5個は短く、下の5個は長い。花糸は淡紅紫色で、基部には開出毛がある。雌しべは無毛。花柄は長さ1〜1.5p、長い腺毛がある。

果実は痩果。長さ1.5〜2.5pの太い円柱形。無毛。7〜9月に熟し、5裂する。

●写真集

アカヤシオの花アカオシオ 霧降高原

アカヤシオの花アカオシオ 日光・白根

アカヤシオの花アカオシオ 春の野山の山野草

アカヤシオアカオシオ 日光植物園

アカヤシオアカオシオ 庭の秋

●育て方

温暖地での栽培はやや難しく、大鉢づくりか地植えにするのが無難です。

繁殖は株分け。

●近縁種

アケボノツツジ (アカヤシオは母種のアケボノツツジとよく似ているが、アケボノツツジは花柄や長い雄しべの基部が無毛で果実がやや小さい。)

クロフネツツジ (朝鮮半島北部から中国東北区にかけて分布し、日当たりの良い山野など、低木が点在するような所に自生している落葉低木。)

ゲンカイツツジ (日当たりのよい岩場などに自生する落葉低木。)

シロヤシオ (山地から深山にかけての林の中や、岩の多い林縁などに生える。)

ムラサキヤシオツツジ (深山や高山に生える高さ1〜2mの落葉低木。)

レンゲツツジ (高原などに大群生し、高さは1.5mほどになる。)

●和名
赤八汐。
別名アカギツツジ。
●参考図書

樹木、樹に咲く花(山と渓谷社)