世界の熱帯から温帯に300属4500種、日本には27属101種5亜種37変種、日本の固有植物は35種5亜種34変種。
APGV分類体系では旧来の分類体系と大きく異なり、クワガタソウ属やクガイソウ属などはオオバコ科へ、コゴメグサ属やママコナ属、シオガマギク属、ヤマウツボ属などはハマウツボ科へ、ミゾホオズキ属はハエドクソウ科へ移されている。 (四季の山野草図鑑では2018/4/1からの対応。)
ゴマノハグサ科の多くは一年草ないし多年草、まれに低木になるものもある。葉は互生または対生、まれに輪性する。花は両性花で5数性をしめす。花冠は合弁で多くは2唇形となり、左右相称、上唇は2裂、下唇は3裂する。雄しべは2個か4個で2強となる。子房は上位で2室。果実は刮ハ。種子は多数。花が美しく観賞用として知られるものが多い。
科名は同科の一種がscrophula(結核)を治すといわれたことから。
(印象)ゴマノハグサ属の花は一つひとつの花は小さいが、集団で見せる美しさはなかなかのものです。我家にもトウテイランが毎年咲いてくれますが、陽ざしにキラキラ光り輝く姿は絶品です。
イワブクロ属(Pennelianthus)・・・1属1種、葉は無柄、基部は少し茎を抱く。花冠は2唇形、つぼみの時は上唇が下唇を包む。完全雄しべは4個、1個の仮雄しべがある。
トレニア属(Torenia)・・・熱帯アジアからアフリカにかけて、約40種が知られる一年草、または多年草。茎は4稜形で分枝し、匍匐または直立する。葉は単葉で、対性し、花は葉腋に単生またh茎頂に総状花序をなす。萼、花冠はともに筒状、2唇形で5裂する。
フジウツギ(ブッドレア)属(Buddleja)・・・世界の温暖地に約100種ある常緑低木。日本にも1種フジウツギがある。学者によって、本属をフジウツギ科として独立させる場合もある。しかし、フジウツギ科がAPGV分類体系ではゴマノハグサ科に含められたため、本属もゴマノハグサ科に含めることとする。
エゾルリトラノオは花冠が広鐘形で中裂し、葉には明瞭な柄があり、花梗には開出毛があり、北海道(中部以西)、本州(青森、岩手、秋田)に分布する。ヤマルリトラノオは葉の下面脈上を除いて無毛のもので、北海道、本州に分布する。ビロードトラノオは葉の下面全面に長毛があり、本州(山形、福島、富山)に分布する。エチゴトラノオは花序の柄と花梗は多細胞の軟毛があり、葉には光沢があり、本州(青森〜富山、福井)に分布する。キタダケトラノオは葉に光沢がなく、三角状楕円形になり、南アルプス北部に分布する。トウテイランは葉の下面に灰色を帯びた薄束の毛が密生し、本州(京都、鳥取、島根)の海岸に生える。
ヒメトラノオは花冠が鐘形で深裂し、裂片は楕円状卵形〜楕円形で鋭頭、葉に光沢がなく、狭卵形〜j披針形で、ほとんど無柄となり、本州(福島以南、関東、中部)に分布する。イブキルリトラノオは葉が卵形、花冠裂片は卵形で円頭、伊吹山山頂部の石灰岩草原に固有。サンイントラノオは葉が卵形で、島根県に分布し、岸壁に生える。ハマトラノオは葉がやや多肉で光沢があり、九州(〜奄美大島)に分布し、海岸沿いの岩場に生える。
ミヤマクワガタは総状花序に花をまばらにつけ、葉は長卵形鈍頭、明瞭な柄があり、本州(東北〜中部、鳥取県大山)に分布し、高山草原に生える。エゾミヤマクワガタは葉は長楕円状卵形で両面共に無毛、北海道に分布し、超塩基性岩地に生えることが多い。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2021/08/14