ニオイタチツボスミレ

最終更新日
2019/04/18
●学名
Viola obtusa
●科名
スミレ科スミレ属
●花期
4月〜5月
●生育地

北海道の函館から九州の屋久島まで、ほぼ日本全土の日当たりのいい草地などに生える。

●特徴

全体に白い綿毛がある。花期の茎は高さ10〜15cmほどで、果期には30cmほどになる。混生葉は長さ2〜3cmの円心形。茎葉は長さ2.5〜4cmの三角状狭卵形。託葉は整ったクシの歯状に裂ける。花は濃紅紫色だが、花弁の基部の3分の1くらいが白いので花の中心が白く抜けて見える。花弁は長さ1.2〜1.5cm。側弁は無毛。距は長さ6〜7mm。

●写真集

ニオイタチツボスミレの花ニオイタチツボスミレ 三毳山

●育て方

春・秋は日当たり、夏は半日陰で管理する。乾いたら充分に潅水し、休眠中でも乾き具合を見て与える。

肥料は濃い液肥を春・秋に与える。

病害虫は早春と秋にそうか病対策としてダイセンなどの殺菌剤を散布する。アブラムシやハダニ、ナメクジなどもつくので、それぞれ専用の殺虫剤を用いる。

植え替えは花後に行い、株が大きくなっていたら分けて、水はけの良い用土に殖えつける。根は傷つけないように注意する。

増殖は株分け・実生・茎挿しによる。

●近縁種

アカネスミレ (日本各地の低地や丘陵地に自生する多毛のスミレ。花色は濃紅紫色で、花期は4月。)

イソスミレ (北海道〜本州北部の、主に日本海側の海岸に自生。花は丸弁。)

エイザンスミレ (本州〜九州の山地の木陰に自生。花は大型で淡紅紫色か白色花もあり、葉の切れ込みが大きく芳香がある。花期は4〜5月。)

オオタチツボスミレ (日本各地に分布するが、日本海側に多く見られる。大柄で、距は白色。)

オオバキスミレ (北海道から近畿地方までの、主に日本海側の多雪地に生える。)

キバナノコマノツメ (北海道・本州の中部地方以北・四国に分布、高山帯の湿り気のある草地に自生。)

ジョウエツキバナノコマノツメ (谷川岳と至仏山の蛇紋岩地に生えるキバナコマノツメの変種。)

スミレ (日本全国に分布し、日当たりのよいところに生える多年草)

スミレサイシン (北海道西南部〜本州の日本海側に分布。)

タチツボスミレ (日本全国の山野に分布。低地〜山地に群生する。最も普通に見られるスミレ)

ナガハシスミレ (本州北部〜鳥取県ノ日本海側の山地に自生。長い距が特徴。花期は4〜5月。基本種は北アメリカ産。)

ナガバノタチツボスミレ (タチツボスミレよりやや赤みがある。静岡県以西に分布。)

パンジー (花径10〜12cmの超巨大輪種、大輪種、中輪種、ビオラと呼ばれる小輪多花性種がある。)

ヒメスミレ (本州の秋田県以南・四国・九州の人家周辺に自生する。小型で淡紅紫色の駐輪。花期は3〜5月。)

ミヤマキスミレ (北海道から中部地方以北の日本海側に生える。)

ミヤマスミレ (北海道、本州、四国に分布し、山地から亜高山の針葉樹林帯に生え、淡紅紫色の花を咲かせる。)

ヤクシマスミレ (徳之島、奄美、屋久島、沖縄本島北部に生える小型のスミレ)

●和名
匂立坪菫。
●参考図書
野に咲く花(山と渓谷社)、山草図鑑(栃の葉書房)