世界に24属700種、日本に1属55種。日本の固有植物は14種13変種。
スミレ属を除くほとんどの属は熱帯に限られる。草本、低木、小高木、蔓性植物などがある。花序はほとんど腋性、基本的には集散花序だが、単生または総状になるものがある。花は放射相称または左右相称で両性花。花被は離性して5、雄しべも5、花柱1、子房は上位で3心皮からなる。
(印象)スミレ科の花はパンジーやビオラなどの園芸品種を覗くと、小さくて可愛らしいものばかりだ。地面に這いつくばらないと写真も撮れないくらい小さい。しかし、山や草原、公園などでスミレを見つけることが出来、よく観察すればその良さがわかるだろう。
スミレサイシンは北海道、本州(日本海側)に分布し、地下茎は太く横に伸び、葉は円心形で、花は淡紫色である。ナガバノスミレサイシンは本州(東北南部以西の太平洋側)、四国、九州に分布し、スミレサイシンに似るが、葉は狭三角形卵形から三角状披針形である。シコクスミレは本州(関東から近畿の太平洋側)、四国、九州に分布し、地下茎は横に伸びるが細く、花は白色で紫色の線がある。アツバスミレは本州(房総半島、伊豆半島)、伊豆諸島に分布し、基準変種のスミレより葉が厚く光沢がある。リュウキュウコスミレは九州南部(宮崎以南)、琉球に分布し、葉は冬季にもあり、葉身は広三角形披針形で、花は11月から4月に開花する。フジスミレは本州中部に分布し、花は淡紅紫色で4〜5月頃に開花する。
アマミスミレは奄美大島に分布し、葉は小さく、葉身は広卵形から三角状卵形で長さ1cmほどであり、花は白色で紫色の線があり、下方の花弁は他の花弁より小さい。ヤクシマスミレは屋久島、琉球(奄美大島、徳之島、沖縄島)に分布し、アマミスミレに似るが、葉身は三角形から広三角形または菱形である。コミヤマスミレは本州(関東以南)、四国、九州に分布し、萼片は開花時にそり返る。ヤエヤマスミレは琉球(西表島、石垣島)に分布し、下方の花弁は他の花弁と同じ大きさである。
エイザンスミレは本州、四国、九州に分布し、3全裂し、側裂片はさらに2全裂し、葉は鳥足状である。ヒゴスミレは本州、四国、九州に分布し、エイザンスミレに似るが、花はふつう白色である。コケスミレは屋久島に分布し、ツボスミレのきわめて小型な変種である。オキナワスミレ(シマジリスミレを含む)は琉球(沖縄島)に分布し、花後に匍匐枝を伸ばし、その先に新しい株を生じる。オリヅルスミレはは琉球(沖縄島)に分布し、オキナワスミレに似るが、葉は毛がある。シチトウスミレは本州(千葉以南の太平洋側、伊豆諸島)、四国、九州、琉球に分布し、海岸に生育し、基準変種の
タチツボスミレと比較して葉の表面に光沢がある。ツルタチツボスミレは本州(日本海側、北陸から鳥取)に分布し、茎は匍匐する。ケイリュウタチツボスミレは本州(神奈川から山口)、四国に分布し、渓流の岩に生育し、葉身の基部は切形である。イソスミレは北海道南西部、本州(青森〜鳥取の日本海側)に分布し、海岸の砂地に生える。ナガハシスミレは北海道南部、本州(鳥取以北の主に日本海側)、四国に分布し、距は細長い。


オオバキスミレは南千島、北海道、本州(島根以東の主に日本海側)に分布し、花は黄色である。フギレオオバキスミレは北海道南西部に分布し、葉身は不規則に切れ込む。ミヤマキスミレは北海道(大雪山、日高、夕張)、本州(東北から白山の日本海側)に分布し、茎葉は3輪生し、エゾキスミレは北海道(日高)に分布し、葉身は革質である。シソバキスミレは北海道(夕張岳)に分布し、葉身は広心形から広卵形である。ジンヨウキスミレは北海道(大雪山、札幌)に分布し、葉身は腎形である。シレトコスミレは北海道(知床)に分布し、花は白色で中心部は黄色である。




この属にはニオイスミレ、アカネスミレ、キバナノコマノツメ、ジョウエツキバナノコマノツメ、オオタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、ヒメスミレ、ミヤマスミレやパンジー、ビオラ
なども含まれる。最終更新日 2019/04/18