学名:Asteraceae
分類:双子葉植物
世界に1500属24000種、日本に73属452種14亜種81変種、日本の固有植物は4属281種63変種。
おもに温帯に分布し、双子葉植物の中では、系統的にもっとも進化したグループといわれている。一年草、多年草、低木、高木、蔓性のものなど多種多様である。花は多数の小花が密に集まって頭花(頭状花序)をつくる。これをふつう一輪の花といっている。各小花は、基本的には雄しべと雌しべのある子房下位の両性花である。しkさい、種や品種によっては、雄しべが退化して雌花だけのもの、雌しべが不稔で雄花だけのもの、両性が退化した中性花などがある。頭花はおもに筒状花といわれる中心花と、舌状花といわれる周辺花に分けられる。舌状花の数、筒状花の舌状花への変化などで、一重、八重咲きができる。頭花の下部に総苞があるが、この列数、また萼片が毛状になった冠毛の形態などが種に特徴的である。観賞植物として、きわめて多くの種が品種改良されている。
(印象)小花がさらに重なって一つの花の様に見えるキク科の植物は見ために豪華な花だ。しかも、下記の如く、花の種類も豊富で、ひとまとめにキク科というのは惜しいほどの絢爛豪華さだ。
ただ、育てるとなると、ちょっと気難しいというか、肥沃な土地を好むようで、我が家のような肥料も水もやらないよ、という環境ではやや厳しいようだ。
屬と花の紹介(四季の山野草編)
- アキノキリンソウ属(Solidago)・・・北アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどに約100種が分布する多年草。属名は「完全な」の意で、傷を治す効果があるといわれたことによる。この属には、アキノキリンソウ、ミヤマアキノキリンソウなどがある。
- アザミ属(Cirsium)・・・北半球に約200種が分布し、日本産は109種8変種、そのうち104種8変種が固有。
ナンブアザミ節に所属するフジアザミ亜説のフジアザミは総苞片に鋭い刺があり、本州中部に分布する。イナベアザミ亜説のイナベアザミも総苞片に刺があるが、花期に混生葉がなく、三重県と福井県に分布する。ナンブタカネアザミは混生葉があり、頭花が無柄で、東北地方の高山に分布する。
ノアザミ節はノアザミ列では、ノアザミの変種ケショウアザミは全体に毛が多く、刺が鋭いもので、本州西部と四国に分布する。ビャッコアザミは全体に毛が多いほか、小花と痩果が大型で、岐阜県南部に分布する。
ノハラアザミ列ではノハラアザミは本州に分布する。ニッコウアザミは葉身が2回羽状に深裂するもので、東北南部〜中部地方に分布する。アオモリアザミは頭花がより大型で、北海道〜東北地方北部に分布する。
ヒメアザミ亜説は頭花が直立ないし斜上し、エゾヤマアザミ、トオノアザミ、マミガサキアザミ、ウゼンヒメアザミ、アイヅヒメアザミ、ハッタチアザミ、ウエツアザミ、スズカアザミ、コイブキアザミ、ビッチュウアザミ、ヒッツキアザミ、ヤマアザミ、ヒメアザミがある。アズマヤマアザミは頭花が無柄で花序が穂状になるもので、本州(関東〜近畿)に分布する。オハラメアザミは頭花に長さ1cmほどの柄があり、北陸〜近畿地方に分布する。オハラメアザミはアズマヤマアザミとは独立した種である可能性が高い。
タチアザミ亜説は頭花は直立し、総苞片が斜上するもので、タチアザミとオゼヌマアザミは本州の湿地に生え、マルバヒレアザミ、ミネアザミ、ウゴアザミは北海道から東北地方に分布する。
- アルギランセマム属(ARgyranthemum)・・・カナリア諸島を中心に22種が自生する。多年草で小低木状になる。この属にはマーガレットなどがある。
- ウサギギク属(Arnica)・・・日本産は3種1変種、そのうち1種が固有。チョウジギクは頭花が白色の毛が密生した長い花柄に横向きに咲き、舌状花がない。このため独立属チョウジギク属Mallotopustoとされることもある。この属にはこの他ウサギギクがある。
- ウスユキソウ属(Leontopodium)・・・アジア、ヨーロッパ大陸のおもに山地に約35種が分布する多年草。属名は「ライオンの足」の意で頭花の姿にちなむ。この属にはウスユキソウがある。
- エキノプス屬(Echinops)・・・地中海沿岸から中央アジアにかけて約120種が分布する二年草及び多年草。属名は「ハリネズミに似る」の意で、頭花の形にちなむ。日本には同属のヒゴタイが九州に自生する。この他として、ルリタマアザミ(ウラジロヒゴタイ)がある。
- オタカラコウ属(Ligularia)・・・日本産は8種1変種、3種1変種が固有。ヤマタバコは総苞片が合生して総苞は筒になり、根生葉は直立して、葉身は卵状長楕円形、本州(関東、中部)に分布する。ミチノクヤマタバコは混生葉が直立する点でヤマタバコに似るが、総苞片は離生して5個あり、本州(東北〜関東北部)に分布する。カイタカラコウは頭花は散房花序につき、総苞は幅約5mm、冠毛は花冠より短く、本州(関東〜中部)に分布し、亜高山草原に生える。アソタカラコウは基準変種のオタカラコウに似るが、より大型で高さ2mに達し、葉の光沢が強く、6〜7月に開花し、九州(宮崎、熊本)に分布し、草原に生え、単生することが多い。
- カッコウアザミ屬(Ageratum)・・・熱帯アメリカに43種が分布する一年草または多年草、低木。属名は「古くならない」の意で、花色が長く褪せないことにちなむ。この属にはアゲラタムがある。
- キク属(Chrysanthemum)・・・一年草または多年草。数種がヨーロッパ及び西アフリカなどに自生する。属名は「金の花」の意。従来、栽培ギクは本属に入れられていたが、現在デンドランセマ属に移されている。
日本産は14種5亜種、そのうち10種4変種が固有。 イソギクは葉が倒披針形〜倒卵形で羽状に浅裂するか粗い鋸歯縁となり、総苞は直径5〜6mmで、本州(茨城〜静岡)、伊豆諸島の海岸岸壁に生える。この他としては、シュンギク、ノジギク、ハナワギクなども含まれる。
- ギムナスター属(Gymnaster)・・・東アジアに3種が分布する多年草。属名は「裸のアスター」の意で、痩果に冠毛がないことによる。この属に ミヤコワスレ
がある。
- キンセンカ屬(Calendula)・・・ヨーロッパ中央部から南部、特にカナリア諸島に約20種が分布する一年草または多年草。属名は「月の最初の日」を意味するが、当時、毎月その日に利子が支払われたことから転じて1ヶ月の意味も含むようになり、それ以上長期にわたり咲くこの花につけらてた。 この属にはキンセンカなどがある。
- ケンタウレア屬(Cebtayrea)・・・おもに地中海沿岸地域、また一部北アメリカやアジアに約450〜600種が分布する一、二年草または多年草。属名はギリシャ神話の半人半馬ケンタウロスが、傷を負ってこの植物を薬草として用いたことにちなむ。草丈は30cm〜1m、頭花は3〜5cmほど。小花はすべて筒状花で、周辺部は舌状花のように大きく放射状に配列する。この属として、 ヤグルマギク
などがある。
- コスモス属(Cosmos)・・・北アメリカ南西部から南アメリカにかけて、26種が分布する一年草または多年草。特にメキシコに約20種がある。属名は「装飾、美しい」の意で花色の美しいことにちなむ。主として、 キバナコスモス、
コスモス
の2種が栽培されている。ほかにメキシコ原産種にチョコレートコスモスといわれるアトロサングイネウスがある。
- コレオステフス属(Coleostephus)・・・ヨーロッパ西部及びアフリカ北部に2種が自生する一年草。属名は「鞘状の王冠」の意で冠毛の形による。この属には クリサンセマム・ムルチコーレ
がある。
- シオン属(Aster)・・・南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカなど、きわめて広い範囲に約250種またはそれ以上分布している。頭花の細い舌状花が八方に広がって星状に見えることから、この名がある。大部分は宿根草であるが、一、二年草もある。園芸的には、アメリカ原産種がヨーロッパで交雑されて育成された品種が多い。草丈は50cm〜1mのものが多いが、20cmほどの矮性のものや、2mほどになるものもある。花は小輪で白、桃、紫、青色などがある。花束の添花として特に人気があり、日本でも盛んに品種改良されている。従来、日本ではエゾギクをアスターとよんできた。
日本産は32種12変種、そのうち23種10変種が固有。ダルマギクは和歌山県熊野川流域の固有植物で、茎は崖から懸垂し、葉は狭披針形。
- ジニア属(Zinnia)・・・約20種が南北アメリカ、特にメキシコに分布する一年草または多年草で、小低木になるものもある。この属として、 ジニア(ヒャクニチソウ)がある。
- セネキオ(サワギク)属(Senecio)・・・世界各地に分布し、約1000種の高木、低木、蔓性、草本類を含む。この属として、シロタエギク、ハンゴンソウ、ミドリノスズなどがある。
- タゲテス属(Tagetes)・・・熱帯及び温帯アメリカとアフリカ(1種)に、約50種が分布する一年草または多年草。属名はエトルリアの神の名タゲースにちなむ。この属に マリーゴールド
がある。
- タンポポ属(Taraxacum)・・・日本産は18種1変種。そのうち15種1変種は固有。 シロバナタンポポ
は花が白色。総苞外片の半長よりも花後に反曲し、本州(茨城・山形以南)、四国、九州、沖縄(帰化?)に分布する。その他の種として、セイヨウタンポポ、タンポポなど。
- ツワブキ属(Farfugium)・・・日本及び中国原産の多年草でツワブキ
の他、日本では1種1変種が固有。リュウキュウツワブキは基準変種のツワブキに似るが、葉身が広倒卵形〜狭倒卵形で、基部がくさび形になるもので、琉球(沖縄島〜西表島)に分布し、渓流沿いに植物である。カンツワブキは葉の質が薄く、葉身が卵形、基部は深い心形、鋭く不規則な重鋸歯があり、九州(屋久島、種子島)に分布する。
- ニガナ属(Ixeris)・・・ シロバナニガナ
、
ニガナ
- ヒマワリ属(Helianthus)・・・主として北アメリカに約70種が分布する一年草、または多年草。属名は「太陽の花」の意。太陽の方向を向いて咲くといわれ、向日葵の名があるが誤り。種子のように見えるのは正確には痩果で、食用油や資料となる。日本へは江戸期に渡来した。この属には イヌキクイモ
、ヒマワリ
などがある。
- フキ属(Petasites)・・・北半球に約15種が分布する多年草。この属には フキ
がある。
- フェリキア屬(Fwlicia)・・・南アフリカ、アラビア西部などに83種が分布する一年草、多年草及び小低木。この属として ブルーデージー
がある。
- ペリカリス属(Pericallis)・・・世界各地に約14種が分布する多年草または小低木。この属には サイネリア(シネラリア)
がある。
- ユリオブス属(Euryops)・・・南アフリカからアラビア半島に、約100種が分布する常緑の低木。属名は「大きな眼をもつ」の意で、ある種の花が人目をひくことにちなむ。この属として、ユリオブス(デージー)がある。
- ヤマボクチ属(Synurus) ・・・日本産は3種2変種。そのうち2種2変種が固有。ハバヤマボクチは葉は三角形、牙形で粗い鋸歯があり、頭花の柄は短く、花は黒紫色で、本州(福島〜秋田以南)、四国、九州に分布する。オヤマボクチは、葉は卵形で細鋸歯があり、頭花の柄は長く、北海道(道南)、本州、四国、九州に分布する。オニヤマボクチは総苞が幅6〜7cmになり、小花は長さ25mmになるもので、本州(石川、富山、岐阜)に分布する。キクバヤマボクチは花が淡黄色で、葉は卵形で羽状に中裂し、本州(近畿以西)、四国、九州に分布する。
- ヨメナ属(Kalimeris)・・・東アジアに約10種が分布する多年草。冠毛が冠状でごく短いヨメナは花は淡紫色、冠毛は長さ0.5mmほどで、本州(中部以西)、四国、九州に分布する。カントウヨメナは花が小さく、冠毛が長さ0.25mm、痩果に腺毛があり、本州(東北〜関東)に分布する。ユウガギクは花が白色で、葉は羽状に浅裂し、本州(中国以北)に分布する。
- ヨモギ属(Artemisia) ・・・ 北半球の温帯を中心に約250種が分布する。 日本では代表的なヨモギの他、アサギリソウなどがある。
- レウカンセマム属(Leucanthemum)・・・ヨーロッパ及びアジア北部に約20種が自生する。 一年草または多年草。属名は「白い花」の意。この属としてはクリサンセマム’ ノースポール’、シャスター・デージー、フランスギクがある。
- その他の主な植物・・・ウスユキソウ、オニタビラコ、ゴボウ、シオン、セイタカアワダチソウ、センボンヤリ、ダリア、ハハコグサ、ハルシャギク、ヒナギク、フジバカマ、ヤブレガサ、ルリタマアザミ、レタスなど。
参考文献
日本の固有植物(東海大学出版会)
園芸植物(山と渓谷社)